不倫のDNA

父が不倫してた昔の話し。

女に声をかける。

病院に着いて妹と合流。

病室をこっそり除いてみると

まだ女はいた。

女は父に何かペラペラと

話しをしている。

父は新聞を読みながら

相槌をうっているようだった。


ただの知人がお見舞いに

来ているなら、新聞なんて

読まないでしょ。


間違いない…


私達は病室には入らず

女が出てくるのを

待った。

待っている間、ドキドキして

心臓が飛び出しそうだった。


そして、面会時間が終わる頃

女が病室から出てきたので

病室から少し離れた場所で

私は女に声をかけた。

手術後

手術は何時間もかかった。

その間、病院でずっと待って

いたのだけど、やる事もなく

ただひたすら終わるのを待った。


一応手術は成功との事で

癌は全部とり除くことが出来たと

先生が言っていて、本当に

ほっとした。


それから1ヶ月ほど入院する

事となり母は病院まで

車で40分かかる道のりを

毎日通っていた。


私も毎日ではないけど、仕事の

帰りに病院に寄ったり週末に

行ったりしていた。

妹は平日の昼間に行ったり

夜に行ったりしていた。


ある平日の夕方…

妹から電話があった。


「今病院に来たんだけど病室に

 なんか女の人がいて入れない」


父は知人も沢山いるし会社の人かも

しれないし、普通に入ればいいのに

と思ったが、やっぱり…なんとなく。

イチャイチャしてる訳ではないけど

ただの知人でも会社の人でもない

雰囲気が出てしまっているみたい。


女か…


「お姉ちゃん…どうしよ」


家族がいつお見舞いにくるかも

分からないのに、よく来るよな。

母は昼間に来るから、夜ならと

安心して来たのかな。


私は頭にきて、すぐに病院に

駆けつけた。

嘘をつく

父の病気が判明して

すぐに手術する事になった。


父には違う病名を言ってほしい

と病院の先生にも頼んでおいた

から父は自分が癌だなんて

全く考えてもいなかっただろう。

私も父の前では明るく、いつも

通りを心がけていた。


それでも、手術後の父は痩せ細り

黄疸も出ていて見るからに

簡単な病気ではないと誰もが

思ったと思う。

調子も悪かっただろうけど父は

癌じゃなくて本当に良かった!

ってよく言っていて


ほんとだね〜癌だったら

大変だったよね。って

皆で明るく話していた。

だけど家族は皆、悲しくて

悲しくて。

明るく接するのって辛いな…