不倫のDNA

父が不倫してた昔の話し。

亡くなった朝

泣きたかったのに

彼女の大きすぎる声と

女優か!ってくらいの

声かけが気になって

冷めてしまって涙が引っ込んだ。


私って、こういう所が

冷たいのかな。冷めてると

いうか、自分でも薄情だなー

って思う所はある。


そして、父は息を引き取った。

最後は目から涙が、ツーっと

流れた。

これって、悲しくてなの?

それとも亡くなる時って皆

涙を流すのでしょうか。



先生と少しやり取りして

気づけば彼女はいなくなっていた。


私は母に電話した。

彼女と一緒に看取った事は

内緒にして。一生、言わないでおこう

と決めた。


とにかく疲れた。

これから忙しくなるから

少しでも寝たいし、シャワーも

浴びたいからとりあえず

自宅まで帰ろう。

その前に旦那に連絡しておこう。


「夜中でも、いつでも何かあったら

連絡して。すぐに駆けつけるから。」


って言われていた。

病院を出る時に電話をした。


ずーっとずーっと鳴らしたけど

ぜーんぜん出なかった。


でしょうね。出るわけないよ。

一度寝たら全然起きない人だから。

まして今日は休日の早朝。

起きる訳ない。

心配してる風にしてるけど

お見舞いだって全然行かなかったし

いつも他人事みたいな感じだったしね。


分かってはいたけど、もしかしたら

って少し期待しちゃったんだよね。


まぁ、いいや。帰ろう。

自宅まで車で1時間くらいかかる。

休日の早朝とあって道は空いていた。

天気も良くて気持ちのいい朝だった。


こんな天気も良くて暖かい日に

ドライブして、どこかに行けたら

最高だろうな。


運転しながら、涙が出てきた。

涙で前が見えなくなって

途中、車を止めて、おもいきり

声を出して泣いた。